精神科の看護師の仕事の大変な部分として、患者さんの症状が一人ひとり異なるという点が挙げられます。幻想を見たり、妄想をしたり、過激な反応をする患者さんもいれば、不眠を抱えた患者さんや、徘徊を繰り返す患者さんもいます。すべての患者さんに対してそれぞれに適した対処をしなければならないといった難しさがあります。
スムーズに仕事をこなすためには、コミュニケーションが必要です。まず患者さんと積極的にコミュニケーションを取り、患者さんの個性を知る必要があります。どのように対処すれば大人しくバイタルサイン測定を受けてくれるか、薬を飲んでくれるかなど、実際にコミュニケーションを取りながら探っていくしかなく、根気が必要とされる場面も多いです。
また、職場の同僚と積極的にコミュニケーションを取り合う必要があります。看護師一人ひとりが、マニュアル通りミスなく仕事を終えれば大丈夫、というタイプの職場ではないためです。例えば、幻覚を見て暴れだした患者さんを一人の看護師が対処するのは危険です。力の強い男性の看護師や、その患者さんとコミュニケーションが取れている看護師などと連携して事に当たる必要があります。適切な対処をするためには、職場のスタッフ全員とコミュニケーションを取り、いつでも協力し合える関係性を築くことが重要です。
このように、精神科の看護師の仕事にはコミュニケーションが不可欠です。そのため、人と接することが好き、たくさんの人と繋がることが好きなタイプや、コミュニケーションスキルが高めの人に向いていると言えるでしょう。